葛 井 寺 初 観 音 平成17年1月18日 大阪府藤井寺市

西国三十三カ所の5番目のお寺で18日は観音様の日。1月18日は初観音でぶらっとお参りし
て来ました。 西国三十三ケ所巡りは観音信仰で、観音様のあるお寺(番外は別)ばかりです。
近鉄南大阪線の藤井寺駅を東に50m歩いて、商店街のアーケードを南に百m足らずで朱塗りの
四脚門にでます。これが葛井寺の西門で重要文化財。慶長6(1601)年、豊臣秀頼が再建した。
現在これが最古の建物であります。葛井寺は真言宗御室派のお寺で神亀2(725)年に創建され
十一面千手千眼観世音菩薩をご本尊とし、聖武天皇の御願寺として行基が開創したと伝えられ
ているが、古代に渡来した百済王の子孫の葛井氏の氏寺だったともいう。このあたりの南河内
には5世紀に河内王朝が存在したという説があるように渡来文化が花を咲かせ、当時の先進地
だった。 大陸の技術や文化を伝えた有力渡来人は、大和朝廷が成立して仏教を広めるころ、
自宅を喜捨して寺院にしたという。 葛井寺の起源もそれではないか、という説はうなずける。
とすると、葛井寺の開創はさらにさかのぼることになります。近くにある辛国(からくに)神社は
葛井氏の氏神とされていて、平安以前は唐国、あるいは往古韓国と書いてカラクニと読んだ
そうで、それは本尊の十一面千手千眼観音像と共に、大陸とのつながりを感じさせる。

葛井(ふじい)寺・四脚門から入る
西門の前から中まで、出店が並んで出ていました。

葛井寺本尊・十一面千手千眼観世音菩薩開扉(毎月18日)していました。
国宝の天平時代の優作で毎月開扉されるのは珍しい。
初観音法会式jがちょうど始まっていて、中に入ろうと思いましたが満員で、本堂の手前の方で拝みました。

葛井寺の十一面千手千眼観音と同じく、本当に背面に千本前後の脇手がある唐招提寺の巨
大な観音立像が知られているが、これは木の表面に麻布や漆などを塗り重ねた木心乾漆像。
葛井寺の観音座像は粘土の上にこれを重ね、乾いてから土を取り除いた脱活乾漆像で、
唐招提寺の鑑真和上像と同じ大陸伝来のオーソドックスな手法であり、両方の観音を比
べると葛井寺の方が古く、大和の天平像とはまた違った文化の流れが指摘されています。

葛井寺本堂



最近建てた、遣唐使・井真成の慰霊碑の前で、中国の報道の人達が取材をしていました。

葛井寺・南大門で迫力のある金剛力士像が、迫って来るようだ。


1月24日の読売テレビの午後6時半のニュースに、日本の若き留学生、井真成(いのまなり)の千三百年前の
墓誌が西北大歴史博物館・副館長の賈麦明さんらにより発見されて、すぐ発足した藤井寺・井真成市民研究
会と葛井寺の森快隆住職らが中国の西安へ墓誌を見に行き。それを西安のがテレビ局が取材し、西安市の
市民達が大歓迎してくれているところを放送していました。 井真成の墓誌には、「国号日本、姓は井、
字(あざな)は真成、礼儀正しく勉学に勉め、活躍は群を抜きん出ていたが、36歳で急に病死した。皇帝は
大変残念に思い位を与え、丁重に埋葬した。身体は異国の地に埋葬されたが、魂は故郷に帰ることを願う」
という事を書いてあるらしい。
井真成は717年、19歳の時、遣唐使として玄ム、吉備の真吉備らと共に唐に渡り、現地で皇帝に大変気に
入られ官僚として宮廷に仕え、病気のため急死する36歳まで勤めた。井の付く名前の遣唐使は葛井(ふじい)
氏に限られるそうで葛井寺のある、藤井寺市はこのニュースに湧き上がっている。葛井氏は渡来系の土着の
一族で、百済王の子孫だと言われています。
読売ニュースの最後に、中国の西安テレビが、墓誌を発見した西北大歴史博物館・副館長の賈麦明さんら
と共に、今年の1月18日の初観音の日に、藤井寺市の葛井寺に来て、最近建てた井真成の慰霊碑などを
取材しているところを放送していました。
丁度私が葛井寺に行った日で、上の南大門の前で大勢で取材している写真が偶然、その時のものです。

当HP、「葛井寺の初観音」で紹介しました、井真成(いのまなり)の墓誌を、ABC(関西地区)が放送する
そうです。「空海千二百年 長安から東寺へ」平成17年2月11日(祭日)・午前10時30分より弘法大師が
開いたとされる京都・東寺の宝物や仏像をハイビジョン放送で紹介する。空海が密教の教えを長安で受け
てから千二百年がたつのを記念し、ABCが同番組を企画。空海が持ち帰ったとされる品々を美しい画像で
伝えることで、空海の偉業と東寺の魅力を知ってもらおうとする文化財特別番組。その中で、空海のように
長安に派遣されたが、異国の地で出世し、その地にのこった遣唐使・井真成の墓誌を日本のテレビ局とし
て初めて
紹介。大成功した空海と比較しながら、人生の明暗を浮き彫りにしたいという番組だそうです。
時間が会えばご覧になったらいかがですか。
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